倉庫とはそもそもどんなもの

倉庫と聞いて何を連想しますか。流通関連のお仕事をされている方なら、すぐに商材などの保管場所としての倉庫を連想されるでしょう。あなたが家庭の主婦なら、シーズン商品やすぐには使わない荷物の保管場所としてのレンタルの倉庫が頭に浮かぶかもしれません。あるいは旅行好きな方なら、各地にある倉庫を利用した様々な観光施設に思いがいくかもしれませんね。一口に倉庫といってもその種類や活用の仕方は様々。これから倉庫について少しお話をしていきましょう。

倉庫の管理や運用をする事業者は、非常に公共性の高い事業者として社会に位置づけられています。そのため倉庫業を営むためには、国土交通大臣の行う登録を受ける義務があります。これは、倉庫業法という法律で定められており、登録を受けた正規業者を管理することにより、倉庫業の適正な運営が行われることを目的としています。倉庫について、このような法律があること自体、一般の人にはあまり知られていないと思いますが、この登録はどんな事業者でも受けられるというものではありません。

倉庫を管理運営する倉庫業者としての登録を受けるには、その倉庫を適切に管理運営するために責任を負う倉庫管理主任者を選任する必要があります。またその管理運営する倉庫は、倉庫の種類によって定められた施設・設備基準を満たすことも求められます。いかがでしょう、普段何気なく港湾施設などの近くで見かける倉庫もこのような基準を満たし、登録された倉庫業者によって維持管理運営がされているのです。倉庫は、そんなに大変なものなのと思われた方もいるかもしれませんね。

倉庫は、一般に大きく3つに分けられます。普通倉庫、冷蔵倉庫、水面倉庫の3つです。普通倉庫、冷蔵倉庫は何となく想像がつきそうですが、倉庫の中でも水面倉庫は、あまり聞いたことが無いのではないでしょうか。水面倉庫とは、水面を利用して原木を保管する倉庫を指します。倉庫の中でもやや特殊な倉庫と言えるでしょう。普通倉庫もいくつかの種類に分類されますが、様々な産業の貨物や、家財や美術品の保管など一般消費者の財産を保管する倉庫を総称して普通倉庫と呼びます。

倉庫のなかで食料品に関連するのが冷蔵倉庫です。10℃以下で保管することが望ましい水産物、食肉、冷凍食品などを保管するための倉庫です。私たちの元に様々な工業生産物や食料品を運ぶためには、その流通経路の中で必ず荷物の載せ替えのための一時保管や、必要になる時期までの保管などが発生します。倉庫はそのための重要な保管庫です。円滑な流通のためには欠かせない存在なのです。港に並ぶ倉庫の中には、もしかしたら今年の流行を形作る商品も既に厳重に保管されているのかもしれません。