倉庫と一口に言っても、その種類、活用の仕方は様々であることが分かっていただけたでしょうか。これから倉庫はどのように変わっていくのでしょうか。効率が最重視されるようになった現在の流通形態の中で、今後求められる倉庫の役割はどんなものなのでしょう。倉庫に関連する企業は、日夜、倉庫の新しいあり方について研究や検討を進め、新しいサービスの開発に余念がありません。企業ユースはもちろん、個人ユースにおいても今後あっと驚くような新しい業態が出現する可能性もあるでしょう。
倉庫が単純に物品を保管するだけという位置づけは大きく変わりつつあります。もちろん、物を保管するというだけでも倉庫に求められる機能は大きなものです。これから売り出す商品にカビが生えた、大事な蔵書が黄ばんだ、などということがあれば一大事です。倉庫は物品を安全に保管するという基本性能をベースに、情報とサービスの拠点としても生まれ変わりつつあります。そうした倉庫の一端をみてみましょう。倉庫の未来が見えてくるかもしれません。
倉庫に保管されている商品数は数十万点。少ないものは1点しかないものもあります。多品種少量に対応する通信販売事業者の倉庫は、商品が整然と並び、顧客が指定した商品が効率よく取り出され配送へと回されます。物品を保管する場合にその物品の数や種類が多くなればなるほど、その管理は大変になります。物品のコンピューター管理はもちろん、広大な倉庫の中で目的の物品を効率よくピックアップする作業など、倉庫には多機能性が求められているのです。
倉庫を個人ユース向きにトランクルームに活用している事業者もサービスにしのぎを削っています。倉庫の機能を高めることはもちろん、車で荷物を運んでくる顧客のために車からトランクルームまでの荷物の運搬の方法に工夫を凝らしたり、高齢者の顧客のために荷物の運搬と保管を一体化したりといった付加サービスが求められるようになってきているのです。倉庫に預けるということは、必要なときにはすぐに使えるということ、そのためにトランクルームも進化しています。
倉庫は人間が生活するに当たって必要不可欠なものです。人間が安心して日々の生活をおくれるようになったのは、食料の貯蔵技術が発達したことも大きな原因です。米蔵、酒蔵、宝物倉、港湾地帯の物流のための倉庫、倉庫は人間の生活の変化と共に様々に変化しながら今日に至りました。そして倉庫は、今後も企業や生活する人の要請を受けて進化していくことでしょう。物に囲まれて生活せざるを得ない現代人に、倉庫はきっと役立ってくれるに違いありません。